■5月22日 3号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の状況把握に向け、水中遊泳式ロボット(写真=国際廃炉研究開発機構提供)を投入した調査を今年夏にも実施する方針を東京電力が示しました。3号機内部の本格的なロボット調査は初めて。水中ロボットは全長約30センチでカメラなどを搭載し、原子炉圧力容器直下の状況を探る計画です。また、2号機では、先端にカメラを取り付けたパイプによる再調査を今年度中に実施します。
■同日 破断、変形箇所が確認されている1、2号機排気筒(高さ120メートル)の上半分の解体工法を東電が発表。無人で施工できる解体装置を大型クレーンにつり下げ、筒身と鉄塔を約20ブロックに分けて解体します。解体装置を今年度上期に設計。操作訓練などを行い、18年度下期から解体に取り掛かる計画です。
■同日 昨年12月から今年3月にかけて行った1~3号機の原子炉注水量の低減について、東電は、まとめを発表。圧力容器底部温度、格納容器内温度の指示値の変動は、事前に想定した範囲内(7度以内)であり、安定した冷却状態を維持しているといいます。東電は、さらに注水量低減を進める方針。
■25日 1号機格納容器の底部に滞留する放射能汚染水から採取した堆積物(浮遊物)の分析結果を東電が発表。成分は、炉内構造物や保温材などに使用しているステンレス鋼の鉄やニッケル、塗装の亜鉛、遮蔽(しゃへい)材の鉛など、もともと内部に存在していた元素。放射性セシウム、コバルト、ウランなどを確認。プルトニウムは確認されなかったといいます。東電は「デブリかどうかは判断できない」といいます。堆積物は4月6日に採取。
■同日 3号機復水器内にためている、事故当初に発生した極めて高濃度の放射能汚染水の処理作業を6月1日から開始すると東電が発表。同復水器内の約450トンのうち約90トンをプロセス主建屋へ移送します。残りの汚染水の処理方法は今後検討します。放射性物質濃度はセシウム137で1リットル当たり約5億ベクレル。同様の1、2号機復水器内の汚染水処理は終わっています。
(「しんぶん」赤旗2017年5月28日より転載)