原子力規制委員会は1月16日、昨年(2013年)12月末に再稼働に向け新規制基準の適合性審査の申請を行った、東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)と中国電力島根原発2号機(松江市)について、初めての審査会合を行いました。
女川原発は東日本大震災と翌月の余震で想定を超える揺れを観測、約13メートルの津波に襲われ外部電源5系統のうち4系統が遮断し重大事故の一歩手前までいきました。島根原発は周辺に活断層があり全国唯一の県庁所在地に立地する原発。両原発とも東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型原子炉で、同型の審査は東電柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)に次いで3、4基目になります。
東北電力の井上茂副社長は「東日本大震災の地震震源地に最も近い原発だったが安全に自動停止した」と強弁しましたが、震災により建物・機器が破損し現在も健全性の確認作業が続いています。規制委から「太平洋側の原発の申請は初めて。震災の教訓を十分考慮しているかが審査のポイントになる」と指摘がありました。
中国電力は、原発に影響を与える地震動の評価について、東日本大震災を受けた見直しを基本的に行わず、従来の設定のままです。
沸騰水型原発に設置が義務づけられているフィルター付きベント」(原子炉格納容器圧力逃がし装置)について、両電力ともセシウムなどの放射性物質の除去率は99・9%以上と説明しましたが、その根拠は「メーカーの確認」と説明。また、除去が難しい希ガスやヨウ素の除去策についても「今後検討する」と述べました。
今回は申請の概要説明で、次回の会合で、審査の論点が示される予定です。