日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > 福島1号機格納容器内部の水中・・床面近くほど高線量 & 原発施設以外も避難計画策定へ・・規制委

福島1号機格納容器内部の水中・・床面近くほど高線量 & 原発施設以外も避難計画策定へ・・規制委

福島第1原発1号機原子炉格納容器の内壁に近い水中で撮影した映像。床面から約1・6メートルの高さ。内部の構造物が確認できます=3月21日 (国際廃炉研究開発機構提供)

福島1号機格納容器内部の水中・・床面近くほど高線量

 東京電力は3月22日、福島第1原発1号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の状況把握に向けた原子炉格納容器内部のロボット調査で、デブリが存在する可能性がある計4地点の水中の放射線量などを公表しました。公表したのは21日までの調査結果。東電は同日までに、デブリは確認できていないといいます。

 圧力容器を支える筒状の台座の作業用出入り口に近い場所の線量は、床面から約0・9メートルの高さで毎時約7・4シーベルト。ほぼ同じ高さの別の2地点では毎時約6・3シーベルトと毎時約5・9シーベルト。また、格納容器の内壁に近い箇所で、床面から約1・6メートルの高さで毎時約3シーベルトでした。

 東電は「(格納容器底部に滞留する汚染水の)水中に入ると気中の放射線が遮蔽(しゃへい)されるため低くなり、床面から約1メートルまで下がると堆積物の影響によって上昇する傾向がある」と述べました。

 デブリが存在する可能性が低いと考えられている地点を19日に測定した線量は、床面から約O・3メートルの高さで毎時約11シーベルトでした。

 1号機格納容器の底部には、約2・5メートルの深さまで汚染水がたまっています。ロボット調査は21日まで4日間の予定でしたが、22日まで1日延長しました。

(「しんぶん」赤旗2017年3月23日より転載)


原発施設以外も避難計画策定へ・・規制委

 原子力規制委員会は3月22日、原子力災害対策指針(防災指針)を改定し、原発以外の核燃料施設や研究炉等の周辺で避難計画を策定する領域を新たに定めました。

 昨年暮れに規制委が防災指針案を了承し、30日間の意見募集を行いました。

 事前に避難計画などを準備する区域は、日本原燃の再処理工場(青森県)や日本原子力研究開発機構の再処理施設(茨城県)、原子力機構の高速実験炉「常陽」(茨城県)など比較的出力が大きい研究炉4基で5キロ圏となります。三菱原子燃料のウラン加工施設(茨城県)と原燃のMOX燃料加工施設(青森県)は1キロ圏です。

 研究炉では出力に応じて、ウラン加工施設では取り扱い量などに応じて500メートル圏となる場合や区域を設けない場合があります。核廃棄物埋設施設や核物質の使用施設ではいずれも区域は設定しません。

(「しんぶん」赤旗2017年3月23日より転載)