
経済産業省原子力安全・保安院は九月二十七日、関西電力美浜原発3号機で八月九日に起きた蒸気噴出事故について調べている同省の事故調査委員会に中間報告を提出。同委員会に承認されました。
中間報告は、事故の直接的原因として、「関西電力の品質保証、保守管理が機能していなかった」と指摘。このため、破裂した配管が、点検対象個所から漏れたとしています。
中間報告によると、関西電力は三菱重工業に委託し、一九九〇年に加圧水型原子炉(PWR)の管理指針を策定しました。これにもとづき同年、三菱重工業が美浜3号機の点検リストを作成した際、破裂した配管が点検対象から漏れていました。 関西電力は九六年に、点検業務の委託先を三菱重工業から日本アームに変更。その後、日本アームは点検計画の作成で三菱重工業から指導を受ける契約を結んでいました。美浜3号機の破裂した配管部分が点検リストから漏れているのを日本アームが発見したのは九三年四月。関西電力は事故の後初めて点検リストからの漏れに気がついたといいます。
中間報告では、今後、関西電力の保守管理の社内手順、三菱重工業、日本アームの社内手順などについてさらに調査が必要としています
→■・・美浜原発事故=関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の二次冷却系配管が破裂し、約一四〇度の熱水約九百トンが噴出した事故。配管内部は約九気圧の高圧だったため、噴出した熱水は蒸気となり、一気にタービン建屋内に広がりました。
このとき、建屋内には百四人の作業員がいて、五日後から始まる予定だった定期検査の準備作業をしていました。このうち二階で作業していた十一人のうち、五人が死亡、六人が負傷しました。