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汚染水止め漁業再び・・福島県漁連会長 野崎哲さん

福島県漁連会長 野崎哲さん
福島県漁連会長 野崎哲さん

原発事故による放射能被害のため操業自粛に追い込まれている、福島県沖での漁業復活をめざし、私たちは一昨年(2012年)6月から試験操業に取り組んでいます。漁法、漁獲対象魚、区域を決めて試験的に操業し、検査して大丈夫な魚は流通に回しています。

昨年暮れ時点で29になった漁獲対象魚種が、どんどん増えていけばいいですね。底引き網漁としては値段の高いヒラメが対象魚種に入れば、試験操業の道半ばと言えるのではないか。もちろん自由自在の操業が、試験操業の卒業です。

大震災前の福島県沖は、首都圏の市場などでも「常磐もの」と評価の高い魚がとれた、豊かな海でした。漁業は船舶を使って行う仕事であり、環境が元に戻ったときにいきなり再開というわけにはいきません。漁場を失う状況になりましたが、試験操業という形で船舶を動かし、一歩一歩積み重ねて元に戻そうとやっています。

福島第1原発の汚染水問題には、冷や冷やさせられた瞬間か何度もありました。昨年7月には、試験操業計画を中断せざるをえませんでした。

私たちが基本的に要求しているのは、福島第1原発の順調な廃炉です。汚染水については、ALPS(アルプス、多核種除去装置)で処理しても除去できないトリチウムが残っている限り海洋放棄には反対です。

野田佳彦元首相の事故収束発言(11年12月)には疑問を持っています。(汚染水問題が公表された)昨年7月下旬、全漁連を通じて収束宣言の取り下げと、事故対応に国が前面に出ることを申し入れました。

原発で働いている人たちの健康や待遇も心配です。その配慮もしながら作業にがんばってほしいし、不具合になって汚染水が海に漏れ出すことのないようにしてほしい。

福島県内の原発10基すべての廃炉は県議会も県も求めており、私たちもそう考えています。

大事故を起こした福島第1原発を無事廃炉にしていくことは、通常の原発を廃炉にするよりずっと難しいことです。事故収束と廃炉の進め方にも注視していく必要があります。
(聞き手 福島県 野崎勇雄)

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