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3・11余震 今後も警戒・・正断層型 活動活発

福島県沖の地震に伴う津波で転覆したとみられる小型ボート(中央)=11月22日、宮城県七ヶ浜町の漁港(海上保安庁提供)
福島県沖の地震に伴う津波で転覆したとみられる小型ボート(中央)=11月22日、宮城県七ヶ浜町の漁港(海上保安庁提供)
福島県沖を震源とする地震について説明する気象庁の中村浩二地震情報企画官=22日午前、東京都千代田区
福島県沖を震源とする地震について説明する気象庁の中村浩二地震情報企画官=22日午前、東京都千代田区

 気象庁の発表によると、11月22日早朝に起きた福島県沖を震源とする今回の地震は、東北地方などがのる北米プレート(岩板)の内部で発生しました。地震が発生した場所に北西-南東方向に引っ張る力が働き、上下にずれた、正断層型の地震でした。気象庁は今回の地震について、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(マグニチュード=M9・0)の余震の一つとみています。

 東北地方太平洋沖地震は、北米プレートとその下に沈み込む太平洋プレートの境界で発生しました。二つのプレートの境界にたまり続けたひずみが限界に達して起こった巨大地震でした。今回の地震とは異なり、二つのプレートが押し合って上下にずれる逆断層型の地震でした。

 しかし、プレート境界で巨大地震が起こった後には、それまで押されていた北米プレートのような陸のプレートが逆の方向へ伸びるような形となり、正断層型の地震が起こりやすくなることが知られています。東北地方太平洋沖地震から1ヵ月後の同年4月11日に福島県いわき市を震源として発生したM7・0の地震は正断層型でした。

 余震の発生は年々減っていますが、依然として東北地方太平洋沖地震が発生する前より地震活動が活発な状況が続いています。15年2月17日には三陸沖でM6・9の地震が発生するなど、M7級の規模の大きな余震も続いています。

 M7級の地震が海底下で発生すると、海底が隆起したり沈降したりするため、その上の海水が変動し、今回のように津波が発生する可能性があります。津波の規模は、地震の規模だけでなく、震源の深さや、発生地点によって変わります。東北地方太平洋沖地震の余震は今後も続くとみられ、地震と津波に対する警戒が必要です。

(間宮利夫)

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東北地方太平洋沖地震の余震領域での震度1以上の地震の発生回数の推移 (気象庁資料から)
東北地方太平    洋沖地震の余震領域での震度1以上の地震の発生回数の推移
(気象庁資料から)

 

 

 

外国メディアいっせい速報

 福島県沖を震源とする22日の強い地震について、外国メディアは「福島県に津波警報が発令された」(米CNNテレビ)などと一斉に速報で伝えました。

 CNNは、日本のテレビ局が住民に避難を呼び掛けたと報道。英BBC放送(電子版)は、2011年の東日本大震災で東京電力福島第1原発が被害を受けたことに触れました。また、ロイター通信は日本の報道を引用しながら、同原発など周辺の原発の状況を報じました。

 フランスのAFP通信は、日本が四つのプレートの境界上に位置し、毎年数回、比較的大きな地震に見舞われていると紹介。4月に熊本地震が起きたことも伝えました。

 中国ニュースサイトの新華網や人民網、台湾の中央通信も相次いで日本で津波警報が発令されたことなどを速報しました。 【時事】

(しんぶん」赤旗2016年11月23日より転載)