「原発は大丈夫か!」。福島県いわき市の市民たちは地震直後に身構えました。
いわき市民訴訟原告の佐藤三男さんは「地震や台風が起きるたびに原発の安全を心配します。そのことが現実のものとなった気がします。精神的な負担を受けています。原発は要りません」。
相馬市在住の生業(なりわい)訴訟原告団の中島孝団長は「縦に大きく揺れてしばらく続いた。さらに大きく揺れて大震災が起きたのではないかと思った」と地震の様子を語ります。
「また避難しなければと身構えます。東電は『発熱量少なく今すぐ危険はない』と言っていますが、東日本大震災の時もそうでした。だから『またウソだろう』と市民の多くは思ってしまいます」と言い、「真面目に考えないで再稼働など許せない。強い不安をなくすためには原発依存から全面的に撤退すべきです」といいます。
同市の相馬・新地原発事故全面賠償をさせる会の村松孝一事務局長は「今のところ津波の被害はありません。心配されるのは原発事故です。東電の発表を額面どおりは受け止められません。『ハイそうですか』とは言えない。再稼働などとんでもないことです。国も東電も原発の近くにいる人たちの気持ちが分からないのか。東日本大震災の時よりも状況が危うくなっているのではないかと不安です」と話しています。
新日本婦人の会いわき支部の阿部節子さんは「海辺の学校は休校になりました。給油所が混んでいます。地震の被害はないが、東電の原発の報告にウソがないように祈っています」と語りました。
(菅野尚夫)
(「しんぶん」赤旗2016年11月23日より転載)