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地震活動が活発な地域・・同程度の地震発生の可能性 & ウラン濃縮施設で停電

 地震が発生した鳥取県中部地方では、これまでも活発な地震活動が起きています。2015年10月には15日から31日までの17日間に震度1以上を観測する地震が23回発生しました。この中にはマグニチュード(M)4級で最大震度4を観測する地震が3回含まれていました。

 また、12月14日にもM4・2で最大震度4を観測する地震が発生しました。

 周辺では、2000年10月6日にM7・3の鳥取県西部地震が発生して境港市で最大震度6強を観測し、141人の負傷者が出たほか、1943年9月10日にはM7・2の鳥取地震が発生して死者1083人を含む大きな被害が出るなど、M7級の地震が数十年置きに発生しています。

 国の地震調査研究推進本部のまとめによると、それより規模の小さな地震でも1989年10月から11月にかけて続いた地震活動(最大M5・5)や、1955年の根雨地方の地震(M4・6)、1925年の美保湾の地震(M5・8)などで被害が発生しています。

 鳥取県など西日本が乗る陸のプレートの下には、太平洋側からフィリピン海プレートが沈み込んでいます。その影響などで山陰地方の地殻内にはひずみがたまっていると指摘する専門家もいます。

 同程度の地震発生の可能性

 気象庁の青木元(げん)地震津波監視課長は10月21日、鳥取県中部で発生した最大震度6弱の地震について記者会見し、今後1週間ほどは同程度の地震が発生する可能性があるとして、建物の倒壊や土砂災害などに十分注意するよう呼びかけました。

 1943年には、鳥取県東部でM6・2の地震が約1日後に連続して発生するなど、この地域では過去に規模の近い地震が続発した事例があるといいます。

 地震のタイプは、西北西-東南東の方向に圧力がかかっている横ずれ断層型。この周辺では、最近1年間にM4程度の地震が数回発生していますが、既知の活断層とは離れています。

 M6・6の地震発生から約1時間で震度1以上の地震が17回発生しており、同庁は「熊本地震ほどではないが、活発な地震活動だ」としています。

 同県で震度6弱以上が観測されたのは、最大震度6強の2000年鳥取県西部地震(M7・3)以来。鳥取県中部では、高層ビルで立っているのが困難な「長周期地震動階級3」も観測されました。

 今回の震央から約50キロメートル西方に鳥取県西部地震の震央が、約30キロメートル東方には1943年鳥取地震(M7・2)の震央があります。

 

  ウラン濃縮施設で停電 岡山・鏡野町

 10月21日午後2時7分ごろ、鳥取県中部で発生した最大震度6弱の地震によって、日本原子力研究開発機構のウラン濃縮関連施設「人形峠環境技術センター」(岡山県鏡野〈かがみの〉町)で外部電源が一時停止し、非常用ディーゼル発電機が起動し給電を実施しました。原子力規制委員会が発表しました。

 午後3時ごろ電気が復旧したことから、非常用電源を停止しました。同施設での濃縮は2001年に終了しています。鏡野町と隣接している鳥取県三朝(みささ)町ではいずれも震度5強を記録しました。また、中国電力島根原発(島根県松江市)は1、2号機とも定期検査中で異常はないとしています。2号機で13ガル(ガルは地震の揺れを表す加速度の単位)を観測しました。松江市では震度4を記録しました。

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 政府は午後2時7分、原子力規制委員会・内閣府合同事故警戒本部を設置。同4時12分に解除しました。

(「しんぶん」赤旗2016年10月22日より転載)