のぼる 安倍政権が、「東電改革」の名で、新潟県にある東京電力柏崎刈羽原発の再稼働をさせようと躍起になっているそうだね。
みどり 今月から始まった、経済産業省の「東電改革・IF(福島第1原発)問題委員会」(東電委員会)でしょ。財界の代表など10人で構成され、東電改革の課題に「柏崎刈羽原発の再稼働の遅れ」を掲げているのよ。
のぼる 再稼働に反対する国民世論に対し、なりふり構わない姿勢だ。
安全より経営
みどり その通り。東電は2014年の事業計画で、原発を1基動かせば年間約1000億〜1450億円のコストが減らせるといっている。安全より経営優先だよ。
のぼる 今、原子力規制委員会で再稼働に向けた審査をしている東電の原発は柏崎刈羽原発6、7号機の2基だから、年間のコスト減を2000億〜2900億円を見込んでいるわけだ。
みどり 柏崎刈羽原発がどんな原発かを考えれば、再稼働は無謀よ。7基あって、総出力は世界最大規模。福島第1原発事故では対応が後手に回り、3基の原子炉で次つぎに炉心溶融するなど、集中立地の恐ろしさを裏づけた事故よ。その教訓を忘れてはいけないわ。
液状化の危険も
のぼる だいたい、2007年の中越沖地震で被災し、3号機は地震の揺れで火災が発生。2、3、4号機は今も停止したまま、すでに9年だ。構内で広く液状化が発生したことも記憶にあるよ。
みどり その液状化が問題になっているのよ。
のぼる そうなの?
みどり 先週の規制委の審査会合よ。東電が、事故時の対応拠点の設置場所を、当初の3号機内から5号機内に変更すると突如明らかにしたのよ。
のぼる どうして?
みどり 大地震の時、3号機のある敷地の海側に建てた防潮堤の地盤が液状化し、壊れる可能性があるというのよ。
のぼる 津波が敷地に入ってくる恐れがあるんだね。そんな場所に原発を建てること自体が問題じゃないか。
みどり そうよ。新潟知事選で、再稼働は認めないという県民の強い意志が示されたけど、そういう不安の表れよね。
のぼる 安倍政権のたくらみはくい止めなきゃいけないね。
(「しんぶん赤旗」2016年10月22日より転載)