東京電力は10月13日、柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)に関する原子力規制委員会の審査会合で、事故時の対策拠点を3号機原子炉建屋内に設置するとしていた当初方針から、6、7号機に近い5号機原子炉建屋内に変更すると報告しました。
同原発は全部で7基。1~4号機が建つ南側と5~7号機が建つ北側と離れています。
出席した東電の姉川尚史・原子力・立地本部長は、変更理由について、対策拠点を設置する側にある防潮堤周辺の地盤調査や改良工事などに「時間を要する」とした上で、「6、7号機の安全性を早期に確保する」ためだと述べました。
防潮堤の液状化対策には年単位の時間がかかり、5号機への変更なら月単位の時間で済むとみており、6、7号機の再稼働を急ぐ東電の姿勢を示しています。
東電は、南側の3号機原子炉建屋2階に、6、7号機の事故時の対策拠点を設置することにしていました。しかし、その後の審査で、一部の地盤で基準地震動(想定される地震の揺れ)によって液状化が起こるとされる試験結果を東電が示し、1~4号機側の津波防護施設である防潮堤への影響を検討することなどが課題になっていました。
東電は、事故時の対策拠点を6、7号機により近い場所に変更することで、作業員の被ばく対策の強化が必要になると説明。東電の変更に対し、規制委から「審査の前提条件が変わってくる」などの指摘がありました。
(「しんぶん」赤旗2016年10月14日より転載)