東京電力は2月3日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の地下水バイパスの井戸からくみ上げた水の排水基準の案を原子力規制庁に提出したと発表しました。
それによると、目標値はセシウム134が1リットル当たり1ベクレル、セシウム137が同1ベクレル、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が同5ベクレル、トリチウム(3重水素)が同1500ベクレルをそれぞれ下回ることとしています。全体で国の基準の0・22倍に相当します。
ただし、許容限度として、全ベータが同10ベクレル、トリチウムが同3万ベクレル(全体で国の基準の0・86倍)を下回れば排出できるとしています。今後、原子力規制委員会の検討会で議論されます。
地下水バイパスは、同原発の建屋に向かって山側から流れてくる地下水を建屋の上流でくみ上げ、海洋へ放出する計画です。地下水バイパスの上流には、300トンの汚染水漏れが見つかったタンクがあり、地下水バイパスの井戸水への影響が心配されています。