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福島原発かながわ訴訟 失われたもの(下)・・故郷に残る友人思い

原告団事務局長 坂本建さん(45)の陳述

私は、東日本大震災、原発事故が起こるまで福島県富岡町で、3世代7人で暮らしていました。私は会社員、妻はパートとして働いていました。共働きのため目が届かない子どもたちを祖父母が見守ってくれていました。

地元高を断念

原発事故によって避難を余儀なくされ、父母とは別々の暮らしとなりました。私と妻はそれまでの仕事を失い、長女はスポーツ推薦が決まっていた地元の高校への進学を断念しました。他の子どもたちも、それまでずっと一緒だった友人や生まれ育った故郷を奪われました。

必死の思いで神奈川県へ避難すると、それまで健康体だった妻はひどく体調を崩しました。私は、とにかく家族を守ることだけで精いっぱいの日々を過ごしていました。

私たち被害者の苦しみをよそに、国や東電は正しい情報を明らかにせず、メディアから流れてくるニュースも、放射能汚染と健康リスクや被害の実相を正しく伝えていません。娘は福島に残っている友人の健康を心配しながらも、そのことを言えずに複雑な表情で会話していました。私は、その娘の姿に胸が締め付けられる思いでした。

私はいつしか、わが子だけでなく、他の子どもたち、特に福島に今も残っている子どもたちを守りたい、そのためには被害者がつながり助け合わなければならない、被害者の実情を知り、伝えなければならないと考えるようになりました。

声聞き語って

各地の交流会に出向き、他の被害者の声に耳を傾け、語りかけ続けました。そこには、個人では解決できない複雑な事情があり、翻弄(ほんろう)され、苦しめられる一方の被害者の悲痛な声がありました。私たち自身がネットワークをつくろうとの思いから、昨年3月に「避難・支援ネットかながわ」を設立し、県内の避難者の生活再建のための諸活動に取り組むようになりました。

私は避難指示が出された区域からの避難であり、東電の基準によっても一定の賠償が認められていますが、同じように避難した区域外避難者の方にはわずかな賠償しか認められません。私たちは裁判で慰謝料をはじめとする完全な賠償を求めています。これは避難指示の有無によることなく、平等に認められるべきだと思います。

私は求めます。国策により人災を引き起こした国、東電の責任を明確にし、国民に対し謝罪する事を。放射能汚染による被害を受けた人々に対する平等な損害賠償を。その先に、国民を、子どもたちを守れる日本の姿があるはずです。

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