全国青年司法書士協議会が実施した東京電力福島第1原発事故の被災者を対象とした全国規模の無料電話相談会の内容が2月16日までにまとまりました。相談会は11日に行われました。全国各地から賠償や健康問題など130件の相談が寄せられました。
同会はこれまで4回、東京で電話相談会を開いてきましたが、今回初めて全国規模で実施。北は北海道から南は福岡まで20の協議会、100人を超える若手司法書士が対応しました。
寄せられた相談の約7割が賠償問題でした。そのほか、土地に関する法律問題、放射能による健康不安、除染作業員の労働条件などについての相談がありました。
「今後の生活をどうしていいかわからない」といった不安の声に、司法書士らが丁寧に耳を傾けました。事故から間もなく3年となりますが、専門家に相談したのは今回が初めてという声もありました。
同協議会原発事故被害対応委員会の石橋修委員長は、「全国規模で行ったことで、近くの司法書士が相談にのることができた。東電による賠償は想像以上に進んでいない現状を再認識した。特にADR(裁判外紛争解決手続き)について知らない方が多いことがわかったので、今後ADRについての相談会を開きたい」と話しています。
寄せられた相談例
○…「大阪で子どもに甲状腺検査を受けさせたいが、有料なので因っている」(福島県から大阪府に避難している人)
○…「東電から賠償に対する誠意が感じられない。疲れ果ててしまった」(福島県郡山市から宮城県に避難している人)
○…「仕事で福島へ除染作業に行く。作業についての同意書を求められているが、病気になった場合は会社に賠償請求できるか」
○…「岡山に母子避難をしてきたが、夫と離婚してしまった」(郡山市から岡山県に避難している女性)
○…「広野町の会社が倒産し、仕事を変わったが収入が下がった。差額を請求できるか」(福島県広野町からいわき市に避難している人)