炉心溶融の基準認識・・東電幹部、福島事故前から
福島第1原発事故で、東京電力が社内マニュアルに気付かず炉心溶融(メルトダウン)の判断が遅れたとされる問題をめぐり、岡村祐一原子力・立地本部長代理は4月11日、炉心損傷が5%を超えれば溶融だと事故前から知っていたと明らかにしました。岡村氏は事故直後、4号機の使用済み燃料プールヘの注水対策に当たっていたため「判断する立場ではなかった」と述べました。
東電が事故前に作ったマニュアルは「炉心損傷割合が5%を超えていれば、炉心溶融」としています。「溶融」の定義について岡村氏は、「個人的に知っていた」とした上で、「社内で20年以上、原子力の仕事をする中で把握した。いつ、誰に教わったかは、特段覚えていない」と述べました。
岡村氏は広報担当になった昨年(2015年)8月以降、マニュアルの存在の有無が問題になっていると認識。その後の経緯や、マニュアルに関しては、問題を調査している第三者検証委員会が取りまとめるとして言及しませんでした。
東電が炉心溶融を認めたのは事故から2カ月後の11年5月。マニュアルがなく判断が遅れたと説明してきましたが、新潟県からの指摘を受けて、今年2月、マニュアルの存在を明らかにしました。
(「しんぶん赤旗」2016年4月13日より転載)
浜岡非常発電機 油漏れ稼働不能・・静岡・保安規定逸脱に
中部電力は4月11日、停止中の浜岡原発3号機(静岡県御前崎市)で、非常用ディーゼル発電機1台から潤滑油が漏れ稼働不能になったと発表しました。同社が原因を調べています。
同社の保安規定は3、4号機に2台ずつある非常用発電機のうち、計3台以上を稼働可能な状態にするよう定めています。他に4号機の1台が定期点検中で使用できず、運転ルールを逸脱する状態になりました。
同社は3、4号機の再稼働に向け、原子力規制委員会に審査を申請しています。
(「しんぶん赤旗」2016年4月13日より転載)