世界中の海に点在する島々の多くは今世紀中ごろ、深刻な水不足に直面するだろう・・。米コロラド大学などの研究グループが、4月11日付
の科学誌『ネイチャー・クライメート・チェンジ』に発表しました。
地球温暖化に伴う気候変動で、世界のいたるところでさまざまな影響が出ると懸念されています。その影響を調べるために使われる「全球気候モデル」は地球の表面を緯度、経度ともほとんどの島よりも大きなスケールで区切ったものを使っているため、小さな島の予測をするのには向いていません。
飲料水を雨水に頼っている、外洋に浮かぶ小さな島の水資源は降水量と蒸発量の差に基づいて算出されます。降水量は島の周りの海と変わらないと考えられるため、研究グループは、小さな島からの蒸発量を予測するための新たな手法を開発しました。
この方法で世界の80の諸島について蒸発量を計算し、降水量との差を求めた結果、73%の諸島で2050年には水不足になると推定されました。これらの諸島には約1800万人が住んでいるといいます。
外洋の島々は、地球温暖化の影響ですでに海面上昇やそれに伴う地下水の高塩分化などの影響を受けており、今回の研究結果は新たな問題を提起しています。
(「しんぶん赤旗」2016年4月12日より転載)