地権者3割に 補償額を提示・・中間貯蔵整備
環境省は4月5日、東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設(福島県大熊、双葉両町)の用地取得に向け、2016年度中に地権者の約3割に当たる790人に補償額を提示する計画を発表しました。同省福島環境再生事務所に用地取得専門の担当者を置き、地権者の理解を得るため定期的に連絡を取る考えです。
中間貯蔵施設の用地は約1600ヘクタールで、地権者は2365人に上ぼります。このうち790人が家屋などの調査に同意しており、環境省が補償対象となる資産の説明作業を進めています。同省は20年度までに施設用地の4〜7割に当たる640〜1150ヘクタールの取得を目指しています。
(「しんぶん赤旗」2016年4月6日より転載)
研究炉の対応 学会から聴取・・原子力委員会
原子力施設の新規制基準への対応で長期に運転できない状態が続いている大学などの教育・研究用原子炉について、内閣府の原子力委員会は4月5日、研究炉の新規制基準の見直しなどを求めている日本原子力学会から意見を聞きました。岡芳明委員長は「さまざまな課題がある。委員会として考え方を示す検討をしたい」と述べました。
現在、運転再開に向けて8施設が原子力規制委員会の審査を受けています。3月初めに開かれた規制委の定例会合で、京都大学の研究炉(5千キロワット)や近畿大学の研究炉(1ワット)など3施設については、審査終了まで「あと半歩ぐらい」と評価されています。
同学会が今年まとめた中間報告は、新規制基準対応のガイドが作成されていないことや、自然災害などへ厳しい評価が求められているため審査に時間を要し、再稼働を見通せた研究炉はないと指摘。老朽化対策や使用済み核燃料の扱いなど研究炉が抱える課題とともに、研究炉のリスクの大きさに応じたやり方など基準の見直しを求める提言を発表しています。
この日、同学会のメンバーは「新規制基準はいやだと言っているわけでなく、炉の特徴を踏まえた安全管理をしなくてはいけない」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2016年4月6日より転載)