◆大阪ガスは...「LNGは、強固な構造のタンクで貯蔵し、水幕設備など防災設備も万全です」といいます。 しかし、タンク溶接部に弱点。水幕設備も役に立たず(川崎市の実験で明らかに)
大阪ガスは、LNGタンクは「金属二重殻構造」で、内層には超低温(マイナス160度)に耐える強度をもつ「9%ニッケル綱」を、外層には漏液時(漏れたとき)の圧力に耐えられるよう設計された「PC(コンクリート)製の防液提」を設置し、その間に保冷材(パーライト)を入れ不燃性の窒素ガスを封入。「三重の強固な安全構造」で、万一に備え水幕設備など「防災設備も万全です」と宣伝しています。
しかし、このタンクの弱点は溶接部にあります。溶接材料と内壁材(ニッケル綱)の収縮率や弾性係数の違いから、溶接部が弱点と言われています。タンクのなかは絶えず沸騰状態にあり、ガス圧が異状上昇し制御不可能になったときは弱いところから破壊します。
タンクにひびが入っても修理できない。
「特にLNGタンクの場合。保温層のなかにガスが入ると絶対と言っていいほどガスを抜くことができません。だからタンクにひびが入っても修理できない。修理できないものは装置と言えません。」(立命館大学村田先生の講演より)
水幕設備も役に立たず、液がもれれば六百倍の気体になり 火の玉になる危険性 川崎市で行われた燃焼実験でも、水幕設備は役に立たず。液がもれれば六百倍の気体になり、大量にもれてできるガス雲に着火すれば火の玉となる。阪神大震災では配管のひび割れでLPGが漏れ、神戸市民7万人が被災したなか、さらに避難しました。
●水幕設備・・LNGが漏れたとき、ガス及び火炎が広範囲に広がらないように設置される、高さ数十メートルの水の柱。
◆大阪ガスは...「LNGタンカーは衝撃や座礁に強い『二重構造』。港の状況や気象状況に応じて、安全に入港します」といいます。しかし、安定性・航行、操船性が悪く敦賀港と「気比の松原」の発展を阻害?
大阪ガスは、「LNGタンカーは衝撃や座礁に強い『二重構造』。港の状況や気象状況に応じて、安全に入港します」といいます。
しかし、LNGの比重は水の0・41倍、原油の0・85倍と水などに比べてはるかに小さいので、全長300�もあるタンカーも容積に比べて軽くなり、安定性に欠き、航行・操船性が悪いといわれています。
海上でLNGが漏れると海水から熱を奪い一気に気化し、点火すれば大爆発を起こします。よって、タンカーが敦賀湾内を航行するときは、水先案内人が乗船し、タグボートの助けを借り、消火設備を備えた警戒船を従えて万全の体勢をとるといいます。厳重な警戒はなぜ必要か?。これで〃安全〃といえるのでしょうか。 完成時は年間135隻のタンカーが入港する計画で、航行・荷揚げの時は他の船舶は近寄れない。これでは、人と物の交流する港としての発展は阻害されます。危険物のタンカーを目の前にして松原に海水浴客、観光客は訪れるでしょうか。
◆大阪ガスは...「中池見は人の手が入らなければ失われる自然。そんな自然を環境保全エリアで守ります」といいます。しかし、生態系を破壊する。個体としては残せても生物集団としては残らない。
大阪ガスは、中池見は「農耕の放棄と耕作の継続によって貴重な植物が発生した。このまま耕作放棄・放置が進めば〃ヨシ原〃になり、(自然は)失われる」「大阪ガスは中池見の「遷移(せんい)」(環境が変わり生物群が変化する)を防ぐため、その一部に十分な広さを確保し、(移植実験を行った後)環境保全エリアとして現状に近い状態での維持管理につとめます」といいます。
しかし、中池見湿地は、地形的にも、地殻運動で沈降した谷に、周辺の山地からの土砂などがたい積してできた「袋状埋積谷」といわれる珍しい地形。「日本の地形レッドデータブック」はもっとも緊急に保全が必要なCランクにあげています。 植物ではミズニラなど六種類の危急種が確認されて、昆虫でも新種が発見されるなど「釧路湿原や尾瀬沼と肩をならべる」といわれるほど、多様な生物がすむ湿地です。
河野昭一・京大教授(日本生態学会員)は、保全エリアへの移植は「生態系を破壊する。個体としては残せても生物集団としては残らない。日本にこれだけの価値ある低湿地が残されていることの確認をする必要がある。建設を白紙撤回しても中池見の自然を残す価値があるのかを含めて、議論をする必要がある」と指摘しています。