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福島の釣りと環境は・・シンポ開く 多彩なテーマで報告

原発事故の実態と自然環境破壊について発言が相次いだ「釣りと環境シンポ」=3月20日、東京都練馬区
原発事故の実態と自然環境破壊について発言が相次いだ「釣りと環境シンポ」=3月20日、東京都練馬区

 釣りの愛好家でつくる「福島県で釣りを楽しむ会」は3月20日、東京都練馬区で「3・11から考える釣りと環境シンポジウム」を開き、70人が参加しました。

 3回目の今年は、東京電力福島第1原発事故に伴う放射性廃棄物を含む指定廃棄物処分場建設計画に町ぐるみで反対する、栃木県塩谷町の見形和久町長や長野県大鹿村でリニア新幹線工事に反対する前島久美さん(「大鹿の100年先を育む会」)など7人が、幅広いテーマで発言しました。

 見形町長は反対署名が18万人分集まったと報告。「放射能の影響は目に見えない。村人が被災しないようにしていくことが一番大事だ」と話しました。

 福島県の葛尾村で除染作業に従事する30代男性は「除染といっても生活圏15メートル以内だけだ。川はしない。9割が山の葛尾村では、ほとんどが除染されないということだ」と実態を告発しました。

 淡水魚への放射性セシウムの蓄積状況を調査した京都大学大学院地球環境学堂の岡田直紀准教授は、木戸川や毛戸川のイワナやヤマメについて、放射性セシウムの濃度は低下しているが、井出川では一般食品の基準値1キログラム当たり100ベクレルを超えるものもあると報告。

 前島さんは大鹿村のスライドや音楽を流しながら、自然破壊となるリニアエ事に対して具体的数値で自然破壊を示したいと植生調査をし、希少種を見つけたことを報告。

 「工事で出る東京ドーム48個分の残土置き場など何も決まっていない。住民の声を全く無視している」と訴えました。

 同会は5月21、22日に福島県川内村で「放射能測定釣行会」を実施します。

(「しんぶん赤旗」2016年3月21日より転載)