関東地方から九州に続く大断層系、中央構造線が、さらに太平洋海底まで延びていることを示す証拠が見つかった・・。米スクリプス海洋研究所などの国際研究グループが、3月2日付の科学誌『ネイチャー』電子版に発表しました。2011年に発生したマグニチュード(M)9・0の東北地方太平洋沖地震の発生メカニズムなどを考える上でも重要な研究成果だといいます。
東北地方太平洋沖地震は、日本列島の東半分が乗る北米プレートの下に沈み込む太平洋プレートの境界で発生しました。沈み込みは日本海溝で起こっており、日本海溝の陸側の海底は北米プレートです。研究グループは、東北地方太平洋沖地震が発生した東北地方から関東地方の太平洋沖の海底地形と重力のデータを解析しました。
その結果、茨城県の鹿島沖から北東に向かって日本海溝まで延びる線を境に北と南で海底地形と重力のデータが大きく異なることがわかったといいます。解析した領域の過去90年あまりのM7・0以上の規模の大きな地震の発生状況を見ても、線の北と南では違いがありました。
中央構造線の東端は茨城県にあると考えられています。研究グループは、今回の研究で見えてきた線が鹿島沖から始まっていることから中央構造線が太平洋海底に延びたものだと推定しました。
(「しんぶん赤旗」2016年3月4日より転載)