2月25日の原子力規制委員会の新基準適合性審査で、関西電力は大飯原発の原子炉格納容器で火災が起こった時の対応で、格納容器全体に水を散布するスプレーを基本にすると説明しました。
これに対し、規制委の更田(ふけた)豊志委員は、スプレーして水浸しにした場合、格納容器の機器に及ぼす影響をどう把握しているかと関電に質問。「財産保護を無視した安全上の対策を考えると躊躇(ちゅうちょ)が出る。現実的な対処を考えるべきだ」と発言。火災の規模に応じて消火器で消火できる可能性なども探り、すぐにスプレーするという電力側の対応に疑問を投げかけました。
北海道電力は、泊原発について制御棒にかかわる作業時の誤操作について、原子炉停止時のリスク評価から除外していいのではないかと説明。規制側は「他社もそうだが、原子炉停止時のリスクを甘く見る傾向がある。考えないことが最も問題だ」と批判しました。
4号機プール・・冷却一時停止
東京電力福島第1原発で25日午前、4号機使用済み燃料プールの冷却が一時停止する事故が発生しました。東電は同日午後、別の電源系統に切り替えて冷却を再開しました。冷却が停止した4時間半で、燃料プールの水温は0・1度上昇し13・1度となりました。核燃料の取り出し作業も一時中断しました。
東電によると、燃料プールがある4号機原子炉建屋の南側で、工事中に地中のケーブルを破損。直後の午前9時45分ごろ、燃料プールの冷却ファンが停止しました。東電は破損したケーブルとは別の系統につなぎ直し、午後2時15分すぎに復旧しました。
東電は「ケーブル損傷と過電流によるファン停止の因果関係は分かっていない」と話しています。