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30キロ圏外避難 夏は試算7時間半 高速道に集中、渋滞・・高浜再稼働 避難に課題

 hinan-sisan-fukui関西電力高浜原発4号機の再稼働。地元では事故が起きた場合の避難に課題を抱えています。

 「高速道路も国道27号も混むのではないか」。高浜町の担当者は避難ルートの渋滞を懸念します。

 福井県は2014年、舞鶴若狭自動車道(舞若道)を通って高浜原発の30キロ圏外に避難するのに必要な時間を試算しました。5キロ圏内の住民は春秋の夜なら最短の3時間で避難が完了しますが、海水浴客でにぎわう夏は7時間半かかるとの結果が出ました。

  試算では、舞若道の舞鶴東インターチェンジ(IC)付近で激しい渋滞が発生することも判明しました。同ICは高浜町の住民が県外避難で兵庫県に向かったり、隣接する京都府舞鶴市の住民が避難したりする場合の入り口になります。

 西日本高速道路によると、舞鶴東ICから舞若道に入る車は1日約1700台。お盆などピーク時は約2倍に増えますが、原発事故が起きた場合の利用台数は「想定できない」(広報課)といいます。

 住民が一斉に避難すると混乱するため、国は「段階的避難」を原則にしています。原発に近い5キロ圏の住民から避難し、5〜30キロ圏は国が指示を出すまで屋内に待避します。高浜原発の場合、高浜町や舞鶴市の一部の住民約8800人(14年4月時点)から避難を始めます。

 高浜町防災安全課は「段階的避難が行われればスムーズにいく」と説明しますが、5〜30キロ圏の住民が同時に避難を始めると舞若道に車が殺到する恐れがあります。

(「しんぶん赤旗」2016年2月28日より転載)