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汚染水漏れ 警報を放置 「稚拙なミス」・・規制委員長 「東電の体質問題」

東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)でタンク上部から高濃度の汚染水約100トンがせき外に流出した問題が、2月26日開かれた原子力規制委員会の定例会で報告されました。委員から東電の対応に「極めて稚拙なミス」など批判が続出しました。

更田(ふけた)豊志委員は、「起きてしまったことへの対処に非常に大きな問題が含まれている」と指摘。水位上昇の警報を、水位計の故障と思い込んで監視も強化しなかった東電の対応について「極めて稚拙なミス。どうしてこういうことが起きたのかが問題」と批判しました。

田中俊一委員長は、「稚拙だというのは、もちろんその通り。そこに根本的な組織文化や作業環境など相当、根が深い」と懸念を示しました。また、会合後の会見で、田中委員長は東電に対し「相当反省して、それなりの対策をとってもらう必要がある」と指摘し、場合によっては東電トップとの会談もあり得るとしました。

この日、規制委は、東電柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)で2012年に見つかった使用済み燃料のウォーターロッド(燃料集合体の中央に設けられた管)の曲がりについての東電の報告に関しても議論。田中委員長は「東電の基本的な企業文化、安全に対する企業体質にかなり問題がある」と重ねて懸念を表明しました。

処理装置 1系統で停止

東京電力は26日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水から放射性物質を吸着して減らす装置「ALPS(アルプス)」で警報が発生し、試運転中の2系統のうち1系統で処理できない状態になったと発表しました。

東電によると、同日午後0時21分、故障警報が鳴って、3系統あるうちA系で処理後の水を送るためのポンプが停止しました。試運転中のもう1系統のB系には異常がなかったといいます。C系は、作業のため停止中でした。

アルプスは、トリチウム(3重水素)以外の放射性物質を大幅に減らすことができるとして、政府と東電が汚染水対策の中核と位置づけています。しかし、液漏れなどのトラブルが相次いでいるほか、予定した性能も出ていないため、試験運転が続いています。

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