愛媛県八幡浜(やわたはま)市議会は1月28日の臨時会で、四国電力伊方原発(同県伊方町)再稼働の賛否を問う住民投票条例案を賛成6、反対9で否決しました。
「住民投票を実現する八幡浜市民の会」が中心となって9939人分の署名を集め、住民投票の実施を求めていたものです。条例案の否決を受け、傍聴席を埋めた市民からは「民意を軽視している」と怒りの声が上がりました。
大城一郎市長は、この日の臨時会で市民の中に対立の軸を持ち込むべきではない」などと述べ、住民投票の実施に反対の意見を表明しました。
採決に先立つ審議では、市民の会共同代表の遠藤綾さんと石崎久次市議(無所属)が意見陳述。遠藤さんは「原発再稼働という市民の命と財産、将来の町づくりにかかわる案件こそ、一人ひとりの市民が考え、意思表示をする機会を設けること。それに基づいた市政を行うことが本当の民主主義です」と述べ、「有権者の32%に達する署名の重みをしっかりと受け止めてほしい」と訴えました。
賛成討論に立った日本共産党の遠藤素子市議は、「(住民投票は)直接選挙と同じ価値をもつ住民の権利です。議会がそれを否決し、住民の権利を奪うことがあってはならない」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2016年1月29日より転載)