「ブルー・プラネット基金」事務局長 ジェフリー・ミクリナさんに聞く
米ハワイ州で再生可能エネルギー100%実現に向けて活動する団体「ブルー・プラネット基金」のジェフリー・ミクリナ事務局長に話を聞きました。
(ホノルル=島田峰隆 写真も)
ハワイ州はもともと2030年に再生可能エネルギー40%を実現するという野心的な目標を持っていました。しかしこれは31年の時点で依然としてエネルギー源の60%を化石燃料に頼るという意味です。最近は低価格な天然ガスの移入を後押しする動きもあり、州が長年にわたって天然ガスに依存することも懸念されています。
行動を促したい
私たちが45年までに再生可能エネルギー100%実現という法律を推進した背景には、こうした問題意識がありました。
法律が昨年成立した点も重要です。フランスのパリでは地球温暖化防止の新たな協定を決める国際会議が聞かれました。この会議に向けて、再生可能エネルギーの活用へ積極的に取り組んでいる州があることを世界に示すことで、国際的な交渉を激励し、地球規模で行動を促したいという願いもありました。
私たちは、法律成立を目指して、学校を訪問して子どもたちに再生可能エネルギーが普及した将来の想像図を描いてもらい、500点近い絵画を議員に届けました。なぜ再生可能エネルギー100%が必要かを説いた冊子を各議員や知事に渡したほか、議会での証言や傍聴を組織しました。
目標達成期限について私たちは40年を提案しましたが、電気事業体は50年を主張し、結局、中間をとって45年になりました。しかしこの違いは重要ではありません。目標が定まったわけですから、達成する道を見つけることが大切です。
さらなる変革を
ハワイではこの10年間、再生可能エネルギーの活用を3倍近く増やしました。しかしこのペースでは今度の目標は達成できません。今の制度全体を変革し、大きく前進する必要があります。
再生可能エネルギーの活用が普及するにつれて課題は出てきます。しかし良いニュースは、電力貯蔵方法や電気自動車など技術革新が急速に進んでいることです。私たちは、ハワイが技術革新に挑み、再生可能エネルギー100%の社会に向かう世界のリーダーになれることを願っています。
(おわり)
(「しんぶん赤旗」2016年1月6日より転載)