東京電力は1月4日、福島第1原発2、3号機建屋の東側にある護岸地下水の観測用井戸で、先月31日と今月1日に採取した水の放射性物質濃度が急上昇したと発表しました。東電は、海側遮水壁の閉合などによる地下水位の変動が影響した可能性をあげています。
東電によると、12月31日に3号機東側の井戸4カ所でセシウム134と137が1リットル当たり計90〜307ベクレル検出されました。前回の同28日に採取した水は検出限界値未満が多く、濃度が高い所でもセシウム137で同1・4ベクレルにとどまっていました。1月1日になると、セシウム濃度は同1・5〜2・78ベクレルに下がったといいます。
また、1日に採取した2号機東側井戸の地下水からは、セシウム134が同350ベクレル、137が同1600ベクレル検出されました。前回の12月29日は134が検出限界値未満、137が同6ベクレルでした。ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質の濃度は前回の同25ベクレルから同5000ベクレルへと200倍に上昇しました。1月2日に再度地下水を採取して測定したところ、セシウム134は同60ベクレル、137は同280ベクレルに、ベータ線を出す放射性物質は同630ベクレルに下がっていました。
(「しんぶん赤旗」2016年1月5日より転載)