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福島生業訴訟 現場検証実施へ・・口頭弁論 原告6人が証言

福島地裁まで行進する原告団・弁護団=11月17日、福島市
福島地裁まで行進する原告団・弁護団=11月17日、福島市

 国と東京電力に原状回復と損害賠償を求めた「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(中島孝・原告団長)の第15回口頭弁論が11月17日、福島地方裁判所(金澤秀樹裁判長)で行われました。

 金澤裁判長は、原告側が求めていた現場検証について「実施する方向で考えています。浜通りで1日、中通りで1日やりたい」とのべて、その後の進行協議で来年3月17日に実施する意向であることを示しました。

 福島第1原発事故の避難指示地区に裁判官が検証に入るのは全国で初めてで、全国各地の福島原発訴訟に大きな影響を与えるものとみられます。

 原告本人に対する尋問がおこなわれ、ウクライナ出身の妻を持つ西白河郡西郷村の浪川修さん(56)、茨城県から沖縄に避難している久保田美奈穂さん(36)、浪江町の紺野重秋さん(77)、南相馬市小高区の吉田愛子さん(72)、須賀川市のキャベツ農家の樽川和也さん(40)、桑折町出身の37歳の女性の6人が証言しました。

 浪川さんの妻のスウィトラーナさんは、ウクライナ出身でチェルノブイリ原発事故当時13歳でした。福島原発事故が起きるとパニックになりました。スウィトラーナさんと娘のレイラさんは、一時期海外に避難。1人残った浪川さんは孤独と寂しさに苦しみ「自殺も考えた」といいます。

 「国や東電はきちんと責任をとってもらいたい。生命・健康よりも経済を優先する政策をやめてほしい」と陳述しました。

(「しんぶん赤旗」2015年11月18日より転載)