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原発事故は国の責任 「不当判決ただせ/最高裁包囲

最高裁をヒューマンチェーンで包囲する人々=16日、東京都千代田区

東京電力福島第1原発事故をめぐる国の賠償責任を否定した3年前の最高裁判決を正し、公正な司法を取り戻そうと事故被害者や市民らが16日、最高裁を包囲するヒューマンチェーン(人間の鎖)に取り組みました。実行委員会によれば昨年を上回る約1150人が参加しました。

 実行委員会は、原発事故被害者団体など22団体が加盟、多くの団体と個人が賛同しています。

 同実行委員会共同代表の水戸喜世子さん(89)は、「現状を変える力を持っているのは主権者である私たちだ。隣の人と真剣に話し合い、最高裁の大掃除の出発点としよう」と呼びかけました。

 各地の国賠訴訟の原告や元原告、原発の差し止め訴訟の原告、公害問題や事故被害者の支援者などがリレートーク。「司法は勇気と正義を取り戻せ」「原子力は倫理に反する」「私たちは諦めない」「原発最大限活用という無謀な計画をやめさせ、福島の復興を進めるためにも不当判決を覆すことが必要」と次々に発言しました。

 実行委員会は、司法があるべき姿を取り戻し、かけがえのない人権が守られるまで「手をつないでたたかいを続け」るとする集会決議を発表しました。

 日本共産党からは岩渕友参院議員が参加し、「国の責任を認めさせ、原発ゼロを実現させるために、皆さんと力を合わせていく」とあいさつ。また、立憲民主、社会民主、れいわ新選組の国会議員も参加しました。

 2022年6月17日、最高裁は福島原発事故の国の責任を否定した判決(多数意見)を示し、それまで複数の高裁が国の責任を認める判断を示していましたが、その後の下級審の判決はすべて国の責任を否定しています。また、今年3月には、最高裁は業務上過失致死傷で強制起訴された東電元経営陣2人を無罪とする決定をしています。

(「しんぶん赤旗」2025年6月17日より転載)