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C02、来年に400ppm超へ・・温室ガス観測衛星 約250年で1・4倍に

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の想像図(JAXA提供)
温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の想像図(JAXA提供)

 宇宙航空研究開発機構と国立環境研究所などは11月16日、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」のデータから、地上から上空までの地球大気全体(全大気)の二酸化炭素(C02)の平均濃度が遅くとも2016年中に400ppmを超える見込みであると発表しました。

 地表面でのC02の全球平均濃度は、米国海洋大気庁による観測で今年3月に400ppmを超えたとすでに発表されていますが、観測データをもとに全大気で400ppmを超える見込みが示されたのは初めて。18世紀半ばの産業革命以前は約280ppmだったと推定されています。

 観測チームは、いぶきによる今年7月までの約6年間の観測データから全大気のC02平均濃度を算出しました。月別平均濃度は今年5月に398・8ppmを記録し、推定経年平均濃度は7月に398・2ppmに達したことが判明。このままの上昇が続けば、いずれの濃度も2016年中に400ppmを超える見込みだとわかりました。

 C02は、大気中の高度によって濃度差がありますが、いぶきは地表面から大気上端まで観測できます。全大気の平均濃度は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書での予測で扱われており、重要なデータです。

 いぶきは2009年の打ち上げ後、現在も観測を続けています。

(「しんぶん赤旗」2015年11月17日より転載)