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大震災から3年 被災地は今②・・命綱の制度復活・拡充を/医療・介護費免除

「私、肺がんなの」。宮城県石巻市の仮設住宅に1人で暮らす女性(60)は、ポツリとつぶやきました。

津波で自宅を流され、働いていた居酒屋も倒産し失業。「震災前は、病院と無縁だったのに、仮設住まいで病気がちになって、1年前に肺がんだと宣告されたんです」

化学療法を続けており、医療費の負担が生活を圧迫します。

「医療費免除がなくなって、他の病気の分と合わせて一気に負担が増えました。制度が続いていれば、もっと治療が受けられた。本当に命綱なのに・・」

宮城県は、被災者の医療費と介護保険利用料の免除を2013年3月末で打ち切りました。同じ被災県でも岩手と福島(一部地域)は継続しています。

免除打ち切りで被災者の受診抑制がおきました。石巻市は、国民健康保険による受診数が昨年(2013年)3月は7万9988件でした。打ち切られた4月は6万923件に激減しました。

自治体が再開

医療費免除制度の再開などを高橋さん(右)に説明する秋山市議=3月5日、宮城県気仙沼市
医療費免除制度の再開などを高橋さん(右)に説明する秋山市議=3月5日、宮城県気仙沼市

免除打ち切りから1年。宮城県で新たな動きが出てきています。今年4月から国保分について医療費免除を再開するという自治体が相次いでいるのです。

原動力となったのは、被災者自らが先頭に立った運動の広がりです。仮設住宅の大半の自治会長が立ち上がり、国や県に粘り強く再開を求めてきました。

日本共産党も国会や地方議会で繰り返し取り上げてきました。

こうしたなか、厚生労働省は昨年末、震災後に医療費が3%以上増加した市町村に対し、負担増加分の80%を交付金で支援してきたものを、4月から増加率に応じて最大95%まで引き上げる改善策を示しました。

県は支援せず

しかし、村井嘉浩知事は、県独自の財政支援に取り組もうとしていません。そのため財源不足から免除対象者を国保加入者のうち住民税非課税で「大規模半壊」以上に限定する自治体が大半です。

 

最初に再開の姿勢を示したのは気仙沼市です。1月10日の市議会で日本共産党の秋山善治郎市議の質問に菅原茂市長が表明しました。同市は、介護保険料免除も再開します。

津波で夫ら親族が犠牲になった高橋栄子さん(65)は、仮設住宅で娘と2人暮らし。「今の生活や将来のことを考えると不安だらけ。医療や介護への支援再開は被災者に久しぶりの朗報です」と顔をほころばせます。

高橋さんを訪ねて医療や住宅の支援制度について説明した秋山市議は語りました。
「共産党で市民への要求アンケートを集めていますが、『消費税が上がると通院を減らさざるをえない』という声がとても目立ちます。被災者の命と暮らしを守るため、医療費や介護利用料の免除がさらに拡充されるようにがんばります」      (つづく)

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