原子力規制庁は11月4日、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)で、原子炉の安全設備に関する信号を伝送するケーブルが不適切に敷設されていたと原子力規制委員会に報告しました。同日に開かれた定例会合で、委員から「由々しき事態」などの指摘が相次ぎました。
6、7号機は再稼働の前提となる審査が行われており、規制委が同じ沸騰水型原発の中で優先的に審査を進めている原発。
同庁によると、9月28日に東電から、柏崎刈羽6号機で安全設備の信号を伝送するケーブルとそれ以外のケーブルが混在していたと連絡がありました。設計上、安全設備の信号を伝送するケーブルは他のケーブルと分離板で区分する必要がありますが、不適切な工事によって分離板が除去されたり破損したりし、混在した状態になっていたといいます。
中央制御室にある約6000本のケーブルのうち、約160本が不適切な場所にあることが確認されたほか、7号機でも同様の例が判明。同庁は技術基準や審査基準に適合していない状態と指摘。
報告を受けた規制委は、調査結果を13日までに報告するよう求める指示文書を東電社長に出します。
これとは別に、同原発で行われた7件の工事で設計や開発の検証、妥当性確認が適切に実施されていないことも報告されました。
(「しんぶん赤旗」2015年11月5日より転載)