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「もんじゅ管理 及第に到らず」・・点検漏れ 規制委、文科省に指摘 & 川内2号機 発送電開始

 機器の点検漏れなど問題が続出している日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」に関して、原子力規制委員会は10月21日、同機構を監督する文部科学省の田中正朗研究開発局長を呼び、これまでの対応を聞きました。

 田中局長は「改善は着実に前進している」などと説明しましたが、規制委からは「改革の途上という説明は繰り返し受けた。ラストチャンスは過ぎた」(更田豊志委員長代理)など厳しい指摘が相次ぎました。

 もんじゅは2012年に1万点を超える機器の点検漏れが発覚。翌年5月に規制委が試験運転を禁止する命令を出し、同機構に保守管理体制の再構築を求めました。しかし、その後も保安検査で新たに安全重要度分類の誤りが見つかるなど不祥事が繰り返されているため、文科省から説明を聞くことになったものです。

 文科省の説明に対し、田中知(さとる)委員は「ナトリウム漏れ事故から20年たつが、依然として問題が根深く存在している。これまでと同じ対応を繰り返しても成果を期待するのは無理がある。原子力機構に、もんじゅの運転管理を委ねる及第点に至っていない」と指摘。更田委員長代理も「規制当局として、安全上の問題なので、いつまでも待っていていいものではない」と述べました。

 田中俊一委員長は「きょうの説明を聞いていてストンとくることがない」と表明。今後も検討していきたいとしました。

 

川内2号機 発送電開始・・来月営業運転ヘ

 九州電力は10月21日午前11時、今月15日に再稼働した川内原発2号機(鹿児島県薩摩川内市)で、発電と送電を開始したと発表しました。2号機の発送電は、2011年9月に定期検査で停止して以来4年1カ月ぶり。

 九電は21日中に出力を30%まで上昇させ、トラブルがなければ10日後にも100%にするとしています。フル出力で運転を続けて最後の性能検査に合格すれば、11月中旬にも営業運転に移る見通しといいます。

 2号機は1号機と同じ加圧水型の原子炉で出力は89万キロワット。

 8月に再稼働した1号機では発送電の開始後、トラブルで出力上昇を一時延期しました。

(「しんぶん赤旗」2015年10月22日より転載)