国と東京電力に原状回復と損害賠償を求めている「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団・弁護団は10月16日、福島県と6項目(別項)にわたって交渉しました。
このなかで、「20ミリシーベルト以下は受忍限度内であり、何ら権利侵害にあたらない」との国と東電の主張にたいして、「福島県としても受け入れられない」との立場を明確にすることを強く求めました。
しかし、県の担当者は「国の原子力災害対策本部の所管であり、県として見解を述べる立場にない」と回答。原告団・弁護団は「すでに受忍を前提として具体化されているのに見解を述べないことは許されない」と抗議しました。
全国のあらゆる原発の廃止を求めたことについても、福島県内の原発廃止については言及するものの「他県のことまで言及できない」とのべるにとどまりました。
中島孝団長は「20ミリシーベルト以下容認は今後に大きな障害をもたらすこととなる。県民は戻りたい人、戻れない人と選択を迫られて悲劇をもたらす瀬戸際に立っている。沖縄県は県民の立場に立って国に立ち向かっている。福島県も同じような志を持ってやってほしい」と県の決断を迫りました。
6項目の要望
6項目の要望は次の通り。
1、国民的合意がまったく得られていない20ミリシーベルト受忍論について受け入れられないとの立場を明確にすること
2、被害自治体の代表として、福島県内のみならず、あらゆる原発の廃止を求めること
3、国と東京電力が福島第1原発事故の被害に対して法的(加害)責任を有することについて立場を明確にすること
4、国に対し、「2017年3月までに避難指示解除」という方針を撤回するように求め、社会インフラや医療環境の整備などがなされないままでの解除を行わないよう求めること
5、国と東京電力に対し、営業損害の賠償について2年分一括払いの方針を撤回し、損害が続く限り賠償をするように求めること
6、住宅無償提供を2017年3月までとする方針を撤回すること
(「しんぶん赤旗」2015年10月17日より転載)