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福島の農家 農業を復活させたい・・原発避難者訴訟で口頭弁論

 東京電力福島第1原発事故の避難者が、古里を失ったことに伴う慰謝料や損害賠償などを東京電力に請求する福島原発避難者訴訟(早川篤雄原告団長)の第13回口頭弁論が10月14日、福島地方裁判所いわき支部(杉浦正樹裁判長)で開かれ、原告本人に対する尋問が行われました。

 大熊町の広島康浩さん、浪江町の佐々木一夫さん、南相馬市小高区の横田芳朝さん、浪江町の松本嘉美さんの4人が証言、主尋問と反対尋問が行われました。

 広島さんは江戸時代から続く農家で、2町歩の水田で米作りをしながら農閑期に原発労働者として働いてきました。3・11の原発事故後、妻や子どもが体調を崩したり、進路を変更せざるを得なくなったことなどを告発しました。

 浪江町の佐々木さんは材木店を営んできました。「妻も笑顔が無くなりました。薬がないと眠れない。裁判長にはぜひとも現地に赴いてほしい」と訴えました。

 横田さんは南相馬市の17代続く農家。米とナシを栽培していました。「1%でも可能性があるのならば農業を復活させたい。先祖に申し訳ない」と陳述しました。

 浪江町の松本さんは看護師です。「特別養護老人ホームにいたおばあちゃん。縁もゆかりもない、ひたちなか市で亡くなりました。死んだらお棺に入れてほしいといっていた着物も持ち出せず遺言もかなえてあげられませんでした」と侮しさをにじませました。

(「しんぶん赤旗」2015年10月15日より転載)