経産省は10月4日、原発の使用済み核燃料の再処理で発生する「死の灰」を大量に含む高レベル放射性廃棄物(「核のゴミ」)の最終処分に関するシンポジウムを都内で開きました。
シンポは「核のゴミ」の処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)との共同開催で230人が参加。質疑応答では、政府が処分方法として採用している「地層処分」に反対する意見や、使用済み核燃料を増やす原発の再稼働に対し「無責任だ」など政府の原子力政策を批判する意見がありました。
政府は今年5月、処分地選定で、国が「前面に立って」適性が高いとされる「科学的有望地」を提示することや、高レベル放射性廃棄物の液体をガラスと固めた核のゴミ(ガラス固化体)を地下300メートル以上の地層に埋設する「地層処分」を採用するなどの方針を閣議決定しました。
処分地選定を国主導で行う方針について、同省資源エネルギー庁の多田明弘電力・ガス事業部長は「国民・住民の意向を無視して一方的に処分地を決めるとの懸念につながっているという指摘があるが、そのようなことは一切ない」と強調しました。この後、同省の審議会メンバーやNUMO、エネ庁課長らで、地層処分方法や処分地の「適性」段階的な選定の考え方について意見を交わしました。
参加者から「放射性廃棄物をこれ以上増やさないと結論づけることが、福島原発事故を経験した世代の責任だ」などの声が出されました。
同省は今月、同様のシンポを他の7ヵ所でも開く予定です。
(「しんぶん赤旗」205年10月5日付けより転載)