東京電力は9月29日、福島第1原発の高温焼却炉建屋の試料採取装置から1リットル当たり148万ベクレルの放射性セシウムが漏れたと発表しました。漏れた水は建屋内にとどまっているといいます。
東電によると、同日午前5時半ごろ、パトロール中の関連企業の作業員が、床面に水が漏れているのを発見。装置につながるラインの弁を閉め、同8時すぎに漏えいが止まったことを確認したといいます。
同建屋には1〜4号機のタービン建屋地下などにたまった高濃度汚染水が移送され、必要に応じて処理されています。漏れたのは放射性セシウムを除去する装置から試料採取するラインの水で、セシウム134は1リット当たり28万ベクレル、セシウム137が同120万ベクレル、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が同330万ベクレル含まれていました。漏れた量は約36リットルで、同日午後0時20分に回収しました。
漏れた原因について東電は、採取した水を排水するラインが排水不良となり、逆流したものがあふれたとみています。
(「しんぶん赤旗」2015年9月30日より転載)