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16年度予算 概算要求の焦点 ⑤・・自治体に原発再稼働迫る

エネルギー/中小企業

gurafu15-9-16 2016年度予算の概算要求におけるエネルギー対策特別会計(経済産業省分)は、15年度当初比1792億円増の9757億円です。増加の大部分は優先課題推進枠1576億円によるもの。推進枠は大企業への支援が目立ちます。

 工場などの省エネルギー設備の入れ替え費用などに対する「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」に15年度比850億円増の1260億円(優先課題推進枠690億円)を要求。企業の石油・天然ガスの探鉱開発を支援する「探鉱・資産買収等出資事業出資金」に263億円増の748億円(同363億円)を求めています。

 新規事業として、電気自動車や燃料電池自動車など次世代自動車の導入を支援する「クリーンエネルギー自動車導入促進対策費補助金」に150億円を計上しています。

 一方、再生可能エネルギーの予算は48億円増の1355億円にとどまっています。

交付金で脅し

 原発立地自治体に対する電源立地地域対策交付金は43・3億円減の868・9億円を計上しました。

 交付金は、各原発の稼働率をもとに算定します。東京電力福島第1原発事故後、動いていない原発は一律81%の″みなし稼働率″が適用されてきました。経産省は今回、みなし稼働率の上限を7割弱に引き下げ、福島事故前10年間の平均稼働率をもとに各原発ごとに算定し直しました。

 みなし稼働率が7割弱を下回る原発の交付金については、道県分は稼働率の下限を設けず16年度から引き下げ、市町村分は一律7割弱とし、5年間かけ段階的に引き下げるとしています(16年度は3%の引き下げ)。自治体を減額で脅し、再稼働を迫るものです。

不十分な予算

 中小企業対策費の概算要求額は、政府全体で15年度比28%増の2379億円です。

 国内企業の99・6%を占め、地域の経済と雇用を支える中小企業の役割からみても、「小規模企業振興基本法」を基にした支援策を講じる上でも、十分な額とはいえません。

 商工会や商工会議所が事業者に寄り添って事業計画の策定や実施支援を行う小規模事業対策推進事業は、15年度の約2・3倍、110億円を計上しました。中小企業・小規模事業者人材対策事業も約2・5倍の25・5億円に増額しています。

 無担保・無保証・低利の小規模事業者経営改善資金融資事業は15年度と同額の40億円です。

 消費税転嫁対策調査官474人の人件費など消費税転嫁対策の事業は15年度比12%滅の34・1億円です。

(つづく)

(「しんぶん赤旗」2015年9月16日より転載)

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