東京電力は9月14日、福島第1原発の1〜4号機建屋周囲の井戸(サブドレン)からくみ上げた汚染地下水を浄化処理した後の水について、海への排出を始めたと発表しました。同日は試験的に昨年くみ上げた約4000トンのうち、838トンを排水。今後、今月3日から本格的にくみ上げを始めた分も順次、排水していく計画です。
高濃度の放射能汚染水がたまっている建屋への地下水流入量を減らし、汚染水の増加を抑制する計画の一環。東電は、サブドレン41本と護岸の井戸(地下水ドレン)5本を運用することで、現在1日当たり300トンの地下水流入量が半減すると説明。漁業関係者らは放射性物質の濃度の運用目標を厳守することなどを条件に、「苦渋の決断」と容認しました。
サブドレンの運用が安定すれば、くみ上げ量は1日当たり500トン程度になると、東電は推定しています。くみ上げた地下水は、浄化設備で放射性セシウムやストロンチウムなどを低減させた後、運用目標値未満と確認されれば港湾内に排出されます。今回排水されたのは、浄化設備で除去できないトリチウム(3重水素)が1リットル当たり460ベクレルでした。
この計画をめぐっては、地下水くみ上げによる効果が期待される一方、くみ上げすぎて地下水位が建屋の水位を下回ると、高濃度汚染水が周囲に漏れ出して地下汚染が拡大するという危険性が懸念されています。汚染水逆流という最悪の事態を招かないため、国と東電には厳格な水位管理が求められています。
川内原発2号機 核燃料搬入完了・・九電
九州電力は9月13日、川内原発2号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉に核燃料を搬入する作業が完了したと発表しました。
九電によると、計157体の核燃料の搬入作業は、11日午後に開始され、13日午後9時15分ごろ終了。10月前半の再稼働をねらっています。
(「しんぶん赤旗」2015年9月15日付けより転載)