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福島第1 遮水壁工事を再開・・浄化地下水 週明け排出へ

 東京電力は9月10日、福島第1原発の海側遮水壁の設置工事を再開しました。長さ約30メートルの鋼管矢板9本を打ち込み、約10メートルの開口部を閉合します。10月末に完成予定。計画が順調にいけば、現在1日当たり290トンの汚染地下水の海への流出を、同10トンに減らすことができるとしています。

 海側遮水壁は全長780メートル。汚染地下水の海洋流出を防ぐため、2012年に港湾内に建設が始まり、昨年夏までにほぼ完成していました。しかし閉合すると地下水の流れがせき止められ、上流側の地下水位が上昇し、高濃度の汚染水がたまっている建屋への地下水流入量が増えて汚染水の大幅な増加につながるため、工事は止まっていました。

 今回、1〜4号機建屋周辺の井戸(サブドレン)からの汚染地下水くみ上げが今月3日に始まり、地下水位の管理が可能になったため、東電は工事を再開しました。

 海側遮水壁の開口部を通じて海に流出している放射性セシウムは1日当たり16億ベクレル、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が同70億ベクレル程度と東電は推定。基準をはるかに超える放射能汚染水が流出し続けている状況が続いており、海側遮水壁の閉合は喫緊の課題となっています。

 一方、東電は、サブドレンからくみ上げた汚染地下水を浄化処理した後の水の港湾内への排出を、14日から始めると発表しました。

 初日は、浄化設備の試運転のため昨年くみ上げた約4000トンのうち約850トンを排水します。今月3日からくみ上げ始めた汚染地下水も、浄化処理後に放射能濃度が基準を下回れば順次排水する予定。くみ上げ量は、サブドレン運用が安定すれば1日当たり500トン程度になると東電は推定しています。

(「しんぶん赤旗」2015年9月11日より転載)

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