東京電力福島第1原発事故で千葉県に避難してきた47人が原告となり国と東電へ被害の完全賠償を求めた原発被害者集団訴訟の第16回口頭弁論が8月25日、千葉地裁(廣谷章雄裁判長)で開かれました。原告側の証人として証言した島崎邦彦・前原子力規制委員会委員長代理と、田中三彦・元国会事故調委員に対する、国と東電による反対尋問が行われました。
島崎氏は2002年、福島沖を含む日本海溝のどこでも大規模な津波地震が発生すると予測する津波地震「長期評価」を地震調査研究推進本部地震調査委員会長期評価部会長として、まとめました。
島崎氏が、長期評価をまとめた後に圧力があったと主張していることに関して裁判所側が質問。島崎氏は、内閣府が事務局を務める中央防災会議が長期評価を採用しなかったことについて、原発の評価などに関わっている委員がいたことなどを指摘し、「科学とは違うところの圧力が入っているとしか私には思えない」と証言しました。
田中氏は、科学・技術の進歩は日進月歩であり、特に2000年以降の新たな知見にてらして同原発の津波対策が不十分だったとして、「絶えず原発の安全性をチェックしなければ、無責任」と指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2015年8月26日より転載)