再稼働した九州電力川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の復水器と呼ばれる設備で細管が損傷し、海水が混入したトラブルで、九電は8月25日、混入量を470リットルと見積もっていることを明らかにしました。細管は過去の使用ですり減った状態だったとみられ、今回の再稼働過程で発生した熱水が衝突した結果、損傷したと考えられるといいます。
九電によると、今回損傷した細管の定期検査が最後に行われたのは2006年1月。その際は問題ないと判断したといい、九電は「定期検査の間隔が適切か検討する」と釈明しました。川内1号機は運転開始から31年以上が経過していますが、これまで復水器の細管が取り換えられたことはありません。
九電は損傷した細管5本と損傷の可能性がある細管64本に栓をした上で、27日から出力を上昇させると説明。現在の出力は75%で、今回のトラブルにより
100%出力や営業運転の開始は6日以上遅れる見込みとなりました。
九電は混入した海水について、配管内に設置された脱塩装置で回収できていると主張しています。
復水器はタービンを回した後の蒸気を冷やして水に戻す装置。川内1号機は原子力規制委員会の審査を通過した初の原発として、今月11日に起動作業を行い、再稼働しましたが、海水が混入した疑いがあるとして、同21日から出力上昇を中断しています。
(「しんぶん赤旗」2015年8月26日より転載)