日本原子力研究開発機構が7月、核燃料サイクル工学研究所(茨城県東海村)の施設で、認可を受けずにMOX(ウラン、プルトニウム混合酸化物)燃料を製造する試験を行ったことが8月19日、わかりました。
原子力規制委員会は同日、今回の試験は許可が必要な加工事業と判断し、新規制基準への適合が確認されるまで、同様の試験を行わないよう、原子力機構に指示しました。
問題の施設は、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)などの燃料製造や試験を行う「プルトニウム燃料第三開発室」。規制庁は4月以降、試験計画を把握していましたが、問題を認識していませんでした。
第三開発室は、取り扱うプルトニウムの量が多く、燃料製造を繰り返し行うことなどから、2004年に加工事業の許可を申請。しかし、東京電力福島第1原発事故以降、審査は中断しました。13年12月に新規制基準が施行されたものの、これに対応する補正申請も提出されていません。
規制庁によれば、7月3日から8日まで第三開発室でMOX試験を実施。原子力機構は、現行の使用許可で実施可能だと判断したと説明しています。
(「しんぶん赤旗」2015年月8日20より転載)