東京電力福島第1原発事故で避難を強いられた浪江町、楢葉町、双葉町など沿岸部の被害者が損害賠償を求めた福島原発避難者訴訟の第12回口頭弁論が19日、福島地裁いわき支部(杉浦正樹裁判長)でありました。
原告本人に対する証拠調べが行われ、主尋問と反対尋問が行われました。
証人に立った原告の國分一雄さん(63)は「原発事故さえなかったならば母親は亡くなることはなかった。非常にくやしい」と言い、全町避難の浪江町からヘリコプターで福島医大、さらに会津若松市の病院に搬送され、2011年4月24日に亡くなった母親の無念を証言しました。
國分さんは現在、二本松市の仮設住宅で生活しています。「夏は暑く、冬は寒く雪もふる。介護の必要な父親と仮設で暮らすのは無理。放射能さえなければすぐにでも連れて帰りたい」と話しました。
福島第1原発から3・9キロの双葉町で原発労働者向けのペンションを経営していた石上チカ子さん(59)は、転々と避難する中で両親を亡くした悲しみを陳述。「先のことを考えると眠れません。根無し草です。地に足を着けた暮らしに戻してください」と訴えました。
(「しんぶん赤旗」2015年月8日20より転載)