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県漁連が処理水放出容認・・福島第1原発 基準厳守条件に

 東京電力福島第1原発で、放射能汚染水の増加抑制策として1〜4号機建屋周囲の井戸「サブドレン」から放射性物質を含む地下水をくみ上げ、浄化して海に流す計画について、福島県漁業協同組合連合会(県漁連)は8月11日、同県いわき市で臨時組合長会議を開き、計画を容認する方針を決めました。放出時の放射性物質濃度の基準厳守などを盛り込んだ要望書を政府・東電に提出し、実現を計画容認の条件としました。

 政府・東電は要望書に対し月内に回答。県漁連は回答を踏まえ、正式に計画を受け入れます。政府・東電は全国漁業協同組合連合会などにも理解を求めた上で、開始時期を検討します。稼働すれば汚染水の増加抑制に大きな効果が期待できるといいます。

 要望書には、タンクで保管する汚染水は国民の理解が得られない海洋放出をしないことや、汚染地下水の流出を止める遮水壁の早期完成など5項目を盛り込みました。県漁連の野崎哲会長は記者団に「要望が担保されれば、(汚染水対策の前進が)漁業復興に寄与すると信じている」と語りました。

 計画では、1〜4号機原子炉建屋周囲の井戸約40本から地下水をくみ上げ、浄化設備で放射性物質の濃度を大幅に下げてから海に流します。放出時の基準はセシウム134が1リットル当たり1ベクレル、トリチウム(3重水素)は同1500ベクレル未満などとしました。

 東電は、昨年5月から建屋の山側(西側)で汚染前の地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」を実施しています。サブドレン計画は建屋のすぐ近くの井戸でくみ上げるため浄化が必要ですが、高濃度汚染水がたまった建屋地下への地下水流入を現在の1日約300トンから半減させるなど、より大きな効果が見込まれています。

(「しんぶん赤旗」2015年8月12日より転載)

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