九州電力が川内原発の再稼働を強行した8月11日、原発から40~50キロ圏内に位置する熊本県水俣市内で会見した西田弘志市長の発言(要旨)を紹介します。
水俣病という公害を経験した市民には、原発事故で再び海を汚染するようなことはあってはならないとの強い思いがあります。汚染水問題をはじめ福島の事故がいまだ収束しておらず、市民の不安が払拭(ふっしょく)されていない中での再稼働は非常に心配で、残念です。
しかも、市議会は九電に住民説明会の開催を求める決議を全会一致で可決し、私も市長として半年前から説明を求めてきましたが、地元の要望に応えられないまま再稼働がなされ、遺憾に思います。
事故を想定した避難計画で、国は30キロ圏外については全く関与しないとの立場ですが、福島の事故を見れば被害は30キロ内で収まらないのが明らかです。市民の避難をどうするか、受け入れ先のこともあり、国が何も示さない中で独自に具体策を検討するにも限界があります。
再稼働されてしまった以上、住民の安全を確保するため次の対応を考えていく必要がありますが、30キロ圏内の自治体とともに、国に支援を求める必要性も含め検討しなければなりません。実現されなかった住民説明会も引き続き求めていきたい。
(「しんぶん赤旗」2015年8月12日より転載)