運転開始から32年目に入った九州電力川内原発1号機について、川内原発30キロ圏住民ネットワークなどの市民団体は8月4日、国会内で集会を開きました。1号機は運転開始から30年が経過するまでに必要な高経年化(老朽化)対策の保安規定の変更認可を受けていないのは「違法状態」であり、「再稼働は許されない」とする要望書を原子力規制庁職員に手渡しました。
1号機は7月4日に運転開始から32年目に入りました。原子炉等規制法では原発が運転30年を超えるまでに老朽化の状況を評価し、保守管理計画の策定などを求めています。しかし、原子力規制委員会は、30年を経過する前に九電の保安規定変更申請を受け付けたことで、法的要求は満たしていると説明しています。
九電はその後、新規制基準での工事計画の認可を受け、高経年化評価の補正申請を7月3日に提出しました。
要望書では、この補正申請の内容が、耐震設計の基本になる基準地震動(地震の揺れ)が大きくなったことによる追加評価を含むものであり、耐震評価で余裕のない配管も見つかっているのに、追加の現場検証もしないで、「認可が下せる状況にはない」と指摘しています。
補正申請の提出から1カ月。5日にも審査の取りまとめがされるとして、主催団体の一つ、原子力規制を監視する市民の会の阪上武代表は「再稼働のスケジュールに合わせて審査を終えようとしている」と規制委の姿勢を批判。審査のやり直しと、それまでは再稼働しないことを求めました。
(「しんぶん赤旗」2015年8月5日より転載)