北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)の敷地内の断層が活断層かどうかを評価する原子力規制委員会の専門家チームは7月17日、1号機直下に活断層がある可能性は否定できないとする評価書案を了承しました。原発の新規制基準は、将来動く可能性のある断層の上に重要施設を設置することを認めておらず、1号機は廃炉になる可能性があります。
今後、他の専門家から意見を聞いた上で規制委に報告。最終的には新規制基準への適合審査で専門家チームの評価を参考に活断層かどうかを判断します。
敷地内には8本の断層が走っていますが、評価書案で対象になったのは、1号機原子炉直下を走る「S―1」と呼ばれる断層と、1、2号機のタービン建屋の下を通る「S―2」「S―6」断層。
このうち「S―1」については、建設時に掘削されたトレンチ(溝)のスケッチなどに見られる段差が、後期更新世(12万~13万年前)以降のS―1による「変位」でできたと解釈できると判断。その活動をモデル計算したところ、トレンチ付近で地層がずれる例があったとしました。
一方、「S―2」「S―6」については、タービン建屋北側のトレンチで見られる地層の様子などから、後期更新世以降に変形を生じた「可能性を否定できない」としました。
「S―2」「S―6」も、重要施設である、1、2号機の冷却用の海水を取り込む配管の下を走っています。
(「しんぶん赤旗」2015年7月18日より転載)