ドイツ南部バイエルン州にある同国最古の原発、グラーフェンラインフェルト原発が6月27日深夜、稼働を停止しました。同原発を管理するドイツのエネルギー大手エーオンが28日、発表しました。
ドイツでは2011年3月の福島第1原発事故を受けて、メルケル政権が同年6月、国内の原発17基の全廃を決定。その後、議会で承認されました。
それにより、当時、安全点検のため稼働停止していた旧式の原発7基と故障多発の1基の計8基はそのまま廃止。残る9基の閉鎖を15年、17年、19年に1基ずつ、21年に3基、22年に3基実施する計画となっています。
今回稼働を停止したグラーフェンラインフェルト原発は1981年に稼働。現在ドイツで稼働している中で最も古い原発でした。これにより、稼働中の原発は8基となります。
ドイツのヘンドリクス環境・建設・原子力安全相はメディアに対し、今回の稼働停止について「脱原発が前進していることを明確に示している」とコメントしています。
次に17年に廃止が予定されているのは、同じバイエルン州にあるグンドレミングン原発の二つの原子炉のうちの一つです。
ドイツは原発の全廃とともに、その代替エネルギーとして再生可能エネルギーによる発電を促進。再生可能エネルギーの発電量の割合を20年に35%、50年に80%まで引き上げます。
(「しんぶん赤旗」2015年6月30日より転載)