九州電力が8月中旬にも再稼働の考えを示している川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)について、設備の詳細設計を定めた「工事計画」を原子力規制委員会が認可したのは不当として、異議申し立てをした薩摩川内市などの住民が6月26日、意見陳述しました。規制委に先月15日に申し立てした際、住民は意見陳述の公開を求めていましたが、非公開で行われました。
住民らは、規制委が九電の申請文書を公開した際、構造の強度や地盤の安定性などに関するデータや図面が「黒枠白塗り」で伏せられており、「審査の妥当性も確認しようがない」と指摘しているほか、配管が地震で壊れる恐れがあることや、航空機が落下した際の対策が不十分であることなどを問題にしています。
この日は12人が3時間余にわたって意見陳述。会見した申立人の一人、元原子力プラント設計技師の後藤政志さんは、航空機が原子炉建屋に衝突すれば、プラント内部で火災が起こる可能性が高いなどとして、川内原発で「航空機落下の確率が低いからといって無視していいはずがない」と批判しました。
薩摩川内市に住む川内原発建設反対連絡協議会会長の鳥原良子さんは、鹿児島県や薩摩川内市が再稼働に同意したが「民意は全く逆」と批判。避難計画の必要性をいう規制委が計画の内容を審査せず、住民の安全が無視されていると指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2015年6月28日より転載)