原子力規制委員会は6月16日、原発再稼働の前提となる新規制基準の適合性審査で、すでに設置変更を許可している関西電力高浜3、4号機の工事計画認可申請について審査しました。津波防護施設の地盤の液状化防止効果の確認をめぐり、規制委の求めに関電が難色を示しました。
関電は、放水口側の津波防護施設として、鋼板を鋼管製のくいによって支える防潮堤を建設。防潮堤の基礎を支える地盤の液状化を防ぐ目的で、薬液を注入して地盤改良を実施します。
規制委側は、地盤改良後に試料を採取して、液状化防止の効果を直接的に確認するための試験をするよう求めています。しかし関電は、試料の採取が難しいと、試験の実施を確約することに難色を示しました。このため規制委との間でさらに議論が必要となりました。
一方、同原発1、2号機では、新規制基準で求められるケーブルの難燃性について、関電は、防火シートを非難燃性のケーブルやケーブルトレーに巻きつけることで、新規制基準の要求に対応する方針を明らかにしました。しかし、審査ではシートの効果を見るための試験のあり方について、規制委側から多くの疑問が出されました。
関電はこれまで非難燃ケーブルに防火塗料を塗布するか防火シートを巻きつけることで対応するとしていました。防火塗料の塗布は、施行管理や維持、状態の評価の難しさが指摘されていました。
(「しんぶん赤旗」2015年6月18日より転載)