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原発避難 施設任せ 介護・医療機関の計画 保団連が実態調査・・鹿児島 自治体の説明なしが圧倒的

 全国保険医団体連合会(保団連・住江憲勇会長)は6月11日、原発立地地域または周辺地域である鹿児島、佐賀、静岡、滋賀の各県の保険医協会が実施した医療機関や介護施設の管理者への原発避難計画の実態に関するアンケート結果を発表しました。避難計画が施設任せになっている実態が明らかになりました。保団連は、避難計画の不備が明らかになったなかで「原発再稼働は認められない」と強調しました。


(写真)原発避難計画の実態に関するアンケート結果について説明する保団連の人たち(左奥)=6月11日、国会内
(写真)原発避難計画の実態に関するアンケート結果について説明する保団連の人たち(左奥)=6月11日、国会内

 原子力災害対策指針では、原発から約30キロ圏内の自治体に対して防災計画の作成が義務付けられています。しかし、ほとんどの自治体では入所者の避難先や避難方法などの具体的な避難計画は各施設が策定することになっています。

 鹿児島県では、九州電力川内原発から30キロ圏を含む市町内の711施設に対してアンケートを実施(回答率28・1%)。避難計画を作成済み施設は8施設、今後作成予定は24施設、未作成が165という結果でした。作成しなかった理由については、複数回答で「作成方法が分からない」が最多で109施設に上りました。

 また、避難計画作成に関して自治体からの説明があったとするのはわずか12施設で、説明がなかったは186施設でした。

 一方、九電玄海原発のある佐賀県では、262施設に対してアンケートを実施(回答率39%)。避難計画を作成している施設は86施設、今後作成予定が6施設、作成していないのが10施設でした。しかし、避難計画などについての自由回答では、「計画通りに進むとは思えない」「ひな型として示された避難計画には職員が誘導を行うようになっているが、非常事態の中で職員が施設に集まることができるのか」などの意見がありました。

保団連副会長ら藤野議員と懇談

 アンケート結果の発表後、保団連の飯田哲夫副会長らは、原発避難計画の問題を前日の衆院経産委で取り上げた日本共産党の藤野保史議員と国会内で懇談。避難計画の不備や実効性がないまま再稼働を進めようとしている政府の安全軽視の姿勢を問題視し、再稼働を許さない運動について話し合いました。

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(「しんぶん赤旗」2015年6月12日より転載)

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